解体工事とは?

ここでは、まず解体工事の基本についてお伝えします。

建物や家屋を取り壊す工事のこと

そもそも、解体工事とは「建物や家屋を取り壊し撤去する工事」のことを言います。
建物を壊して敷地に何もない状態に戻すことや、内装の変更のために
建物内部を撤去するなどが解体工事になります。

  • 木造住宅
  • 鉄骨住宅
  • RC造住宅
  • アパート・長屋
  • ビル・マンション
  • 店舗・工場
  • 内装・解体
  • その他建物

解体工事の種類

解体工事というと、重機で建物を取り壊すというイメージを持っている方も多いでしょう。
しかし、解体工事といってもさまざまな種類があるのです。

  • 建物のみの解体
  • 外構のみの解体
  • リフォームに伴う
    内装解体

上記のように、ただ建物全部を取り壊すだけが解体ではありません。
ブロック塀やカーポートなどの外構のみの解体、リフォームするための建物一部だけの解体などがあります。
また、建物の解体でも、一般的な住宅の解体から大型のビルやマンション・工場の解体などさまざまな規模もあるのです。

建物の構造に合わせた解体

住宅や建物は、建物ごとにその構造や建築方法も異なります。
一般的な住宅では次のような構造があります。

  • 木造住宅
  • 鉄骨住宅
  • RC造住宅

解体工事は、これらの構造に合わせて工法が必要になるため、解体方法や費用の相場も異なってくるのです。
例えば、木造住宅は解体しやすいのに対し、鉄骨造やRC造は頑丈で解体しにくくなります。
そのため、鉄骨造りやRC造の解体は人員を増やす場合や特別な工法を使用するなどが必要になり、
木造よりも費用が高くなるのです。

解体工事の方法や工法

解体工事と言っても、重機でどんどん取り壊していくわけではありません。
解体工事にはさまざまな方法や工法があるため、解体の目的や構造などに合わせた解体が必要になるのです。
解体の方法としては、大きく次の2つに分かれます。

ミンチ解体

ミンチ解体とは、重機を使って建物を一気に取り壊す解体のことを言います。一般的に解体工事と言ってイメージするのは、このミンチ解体になるでしょう。ミンチ解体は、一気に取り壊すので工事期間が短く解体費用も安くなる傾向にあります。そのため、一時期はこのミンチ解体=解体工事でもありました。しかし、ミンチ解体では、廃棄物が混ざり合いリサイクルが難しい、アスベストがまき散らされるといった危険性があります。そのため、2003年に施工された建築リサイクル法によって現在は禁止されているのです。

分別解体

現在の解体工事というと、この分別解体を指します。分別解体とは、解体工事で発生する産業廃棄物を細かく分別しながら解体工事を進める方法です。重機で取り壊す前に、ある程度は手作業で解体しながら廃棄物を分別します。手作業での解体なしで、いきなり重機で解体する場合はミンチ解体(違法工事)でもあるので注意しましょう。

木造建物の解体

木造建物の解体では、次のような工法を取るのが一般的です。

手壊し工法

手壊し工法とは、その名の通り手作業で解体していく方法です。
重機を使用しないので、敷地が狭い場合や搬入道路が確保できない場合でも作業可能です。
また、解体後の廃棄物の分別もしやすく、基本的に重機での解体の前には手壊し工法が用いられます。騒音や振動も少ないので近隣に迷惑をかけることも少ないというメリットもあります。しかし、手作業のみでは時間が掛かり、費用も高くなるので、解体工事の一部や建物の一部として利用されるのが一般的です。

機械解体工法

もっとも一般的な解体工法が、機械解体工法です。重機を使って建物を解体する方法のことを言います。基本的には、重機での解体の前に手壊しである程度解体分別した後に、機械解体となります。機械解体では、騒音や振動・粉塵のために近隣への配慮が必要でしょう。

鉄骨造やRC造・SRC造の解体

鉄骨造やRC造・SRC造の解体工法としては、次のようなものがあります。

圧砕機工法

圧砕機をショベルの先端に取り受けて、コンクリートの破砕や鉄骨を切断する方法です。効率よく解体できるので、コンクリート解体ではこの圧砕機工法を用いられるのが一般的でしょう。振動や騒音は少ないですが、粉塵が舞いやすいため作業時には散水しながらの作業になります。

カッター工法

カッター工法とは、ショベルの先端に鉄骨切断用のカッターなどの切断用アタッチメントを取り付け切断しながら解体する方法です。比較的振動もなく粉塵も舞いにくく、解体スピードが速いため大型の建物でも対応できる方法です。

ブレーカー工法

ブレーカーと呼ばれるノミのようなアタッチメントを装着したショベルで、コンクリートを砕いて解体する工法のことをいいます。重機が入れない場所でも、ハンドブレーカーを利用すれば作業が可能です。ただし、この工法では、振動や騒音が大きくなり、粉塵も舞いやすいため、散水や近隣への配慮が重要になります。

転倒工法

外壁を内側に転倒させ、その衝撃を利用して解体する方法です。周辺に飛散する解体ガラが少なく、危険な高所作業を少なくできるというメリットがあります。

また、これ以外にも解体工事の後方には次のようなものがあります。
・ワイヤーソーイング工法
・アブレィシブウォータージェット工法
・静的破砕剤工法
・ミニブラスティング工法
このように、解体工事と言ってもさまざまな種類や工法があるので、適切に使い分ける必要があるのです。