解体工事会社の選び方

安いだけじゃダメ!
「解体業者の選び方」とは?

解体業者を選ぶ必要に迫られたとき、あなたは何を基準に判断しますか?

見積もり金額、会社の規模、レスポンスの速さ、担当者の第一印象、ホームページの充実度など、人によって様々かとは思いますが、やはり「安いに越したことはない」とお考えの方が大多数ではないでしょうか。
解体工事とは「何もない状態にする」ことが目的の工事ですので、品質よりも金額に意識が行きがちなのは当然のことです。しかし、それ“だけ”で選んでしまうと、施主であるあなたが損をするばかりか、近隣の方に迷惑を掛けてしまう事態に発展してしまう可能性があるのです。
そんな「正しい解体業者の選び方」を解体サポートへのご相談事例をもとに、時系列に沿ってご紹介していきます。

実際にあった!
解体業者選びで
失敗した人のパターン

現場の立会いに来たのは、
何だか怖そうな面持ちの方…。

解体業者さんに「コワイ」というイメージをお持ちの方も多いはず。
人は見かけによりませんが、実際、業者さんの中には本当にコワイ一面を持った方もいらっしゃいます。
担当者の第一印象、対応も会社全体を判断する要素となり得ますので、立会いの際に少しでも不安を感じたり、極端な話ですが「フィーリングが合わない」と感じた場合には他の業者さんを当たってみた方が、後々の安心に繋がることもあります。

会社・担当者に
連絡が繋がらない…。

優良な業者さんであれば、どんなに忙しくても(たとえ一回で電話が繋がらなかったとしても)一両日中には折り返しの連絡をしてくれるはずです。
会社の電話・担当者の携帯電話のどちらも中々つながらない、やっとつながっても誠実とは言えない対応をされた場合は、その業者に依頼するのは控えた方が得策でしょう。

見積もり内容が簡素すぎる
(分かりにくい)…。

親切な業者さんは、一般の方にも分かりやすいよう細かな見積もり書を提出してくれるケースが多いです。逆に、「解体工事 一式 ○○円」といった書き方をしていたり、あえて分かりにくいように複雑な書き方をしている場合も要注意です。
少しでも疑問を感じたら、すぐに見積もり担当者へ連絡してみるのが良いでしょう。

契約書、マニフェストの発行を
してくれない…。

契約書は、施主様にとっても業者さんにとっても、何かあった際に各自の身を守るための大切な証拠となります。解体工事は金額の大きな工事ですので、必ず契約書を発行してもらうべきです。
業者さんの中には昔からの慣習からなのか、信頼関係を重視するあまりか、契約書も領収書も発行してくれないところもあるようです。
これらは事前に「契約書は交わしていただけますよね?」「領収書は発行していただけますか?」などと事前に聞いておくことで、通常は発行していない業者さんでも対応していただける場合もありますので、見積もり依頼の際に必ず確認しておきましょう。
また、解体工事終了後に「マニフェスト」という書類を発行していただけるかどうかも確認しておくとなお良いでしょう。
これは工事中に発生した産業廃棄物の運搬・処理の過程を最終処理まで記録するシステムで、これによって廃棄物が適正に処理されたかどうか確認することができます。

何を基準に選んだらいいの?

これだけの失敗例を事前に知っていても、実際に選択する段階になると
「地雷を踏んでしまったらどうしよう…」とひるんでしまいそうになると思います。
ですが、これからご紹介する最低限のポイントを押さえておけばまず「最悪な事態」は防げると思います。
ぜひ解体業者選びの参考にしてみてください。

ホームページ上で
安すぎる坪単価を謳っていないか?

業者さんの特性や地域にもよりますが、解体工事の坪単価は平均4万円程度で、どんなに安い地域でも3万円台というのが相場です。
これには、解体中に出る廃棄物の処理にかかる料金が大きく関わってきます。
廃棄物は解体工事と切り離して考えることができません。ですので必ず廃棄物の処分代が発生しますが、これを浮かせるために不法投棄をしてしまう業者が残念ながら存在しているのです。そしてそのような業者は「処分代を含まない」坪単価をサイト上に掲載し、他者よりも有利にお客を獲得しようとしている場合がほとんどです。このような業者に依頼してしまうと、最悪の場合施主であるあなたに不法投棄の責任がのしかかってくることもありますので、十分に警戒しましょう。またこのパターンとは別に、「サイト上には激安の坪単価を表示して、実は後から処分費用を別に請求してくる」というケースも見られます。
どちらにせよ、インターネット上の「激安・格安」情報には必ず裏があると思った方が安全です。

然るべき許可・保険を
取得・加入しているか?

解体業を営んでいるのだから、そのための許可や保険には入っていて当然、とほとんどの方は思うでしょう。もちろん大多数は許可を得て工事をしていますが、中には必要な許可を得ていなかったり、保険にも加入していないか期限の切れている場合も稀にあります。
そのような業者に依頼してしまうことのないよう、(対応に不安のある場合などは特に)事前に電話等で探っておいた方が安心です。全て問題なく取得している業者さんにとっては失礼な質問だと思われてしまう可能性もあるので、「失礼ですが、どちらの保険に加入されていますか?」といった尋ね方で、あくまでも「初めての解体で不安」という姿勢で臨むと印象が和らぐと思います。口頭だけでは不安という方は、さらに許可証類のコピーまでいただくと良いでしょう。

見積もり書の内容は
明確で親切か?

失敗談の中にも挙げましたが、「解体工事 一式 ○○円」といった書き方をしている業者は要注意です。最近は各項目について単価・数量・金額をしっかり出している業者さんがほとんどですので、このような見積もりはまず「ナシ」と判断してよいと思います。
しかし、簡易的な見積もりを提出してきた解体業者の方が安いなど、「できればその業者に依頼したい」と思っている場合、一度明細を出してもらうよう連絡してみるのも一つの方法です。業者さんによっては工事自体はしっかりしているものの、長年の慣習や人件費の問題などでお客様には細かい見積もりを出していない場合もあるためです。良心的な業者さんであれば、施主様からご連絡があれば改めて明細を出してくれると思いますので、完全に切り捨てる前に一度確認してみても良いでしょう。

いかがでしたでしょうか?
すべてまっさらな状態にするだけの解体工事とはいえ、完工までの過程で余計な追加請求を受けてしまったり、
周りに迷惑をかけたりしては元も子もありませんよね。
これらのポイントを頭の片隅に置いておけば、いざという時にご自身で納得のいく判断ができるはずです。